話題の暗号資産(仮想通貨)やNFTを購入しようとすると、「人気すぎて購入できなかった」という場面に出会すことも少なくないでしょう。昨今は仮想通貨 上場を控える注目銘柄が続々と誕生。しかし、上場が期待されている銘柄が判明しているにも拘らず、購入を逃してしまえば、その後の大きな価格上昇の波に乗ることができてなくなってしまうでしょう。
その一方で、たとえばSNSを覗くと「ホワイトリストに入っていたので、販売当日に購入できた」という投稿を目にすることがあります。このホワイトリストという仕組みを活用すれば、一般販売に先立って、希望する暗号資産やNFTを優先して購入できるのです。
そこで本記事では、ホワイトリストの概要を解説するとともに、これまでの事例や登録方法について深く解説していきます。
ホワイトリストとは?なぜ必要とされるのか
ホワイトリストとは、暗号資産やNFTの先行購入の権利を持つ、登録者リストのことを指します。
NFT市場はここ数年で急速に拡大し、2033年までの年平均成長率は17.5%と予測されています。したがって、特に人気の高いコレクションでは販売開始からわずか数分で完売してしまうことも珍しくありません。その結果、プロジェクトのファンであるにも拘らず、購入の機会をのがしてしまうという状況が繰り返されてきました。こうした課題を解決するために生まれたのがホワイトリストです。
ホワイトリストに参加し、特定のウォレットアドレスをあらかじめ承認しておけば、一般販売が始まる前にトークンやNFTを購入できるようになります。
登録方法と選考の仕組み
それでは、ホワイトリストにはどのような方法で参加できるのでしょうか。実は、ホワイトリストの登録方法はプロジェクトによってさまざまです。
Discordのコミュニティで積極的に発言したり、SNSでキャンペーンを広めたりすることで参加権を得られる場合もあれば、抽選で選ばれる場合もあります。なかには「ファンアートを投稿する」「購入意欲を文章で伝える」といった条件を設けるケースもあり、プロジェクトによって色合いは大きく異なります。
具体例として、2022年にNFT初心者を応援するプロジェクト「CryptoNinja Partners Rookies(CNPR)」があります。ホワイトリストに登録すれば数百円という低価格でNFTを購入でき、その後、二次流通市場では数万円まで価格が高騰したことで、大きな注目を集めました。そして、登録条件がまさに「購入理由を熱意のある文章で伝えること」「SNSでの発信に協力すること」などでした。単なる抽選ではなく、本気で応援する人を選定していたのです。つまりホワイトリストは、購入権の確保だけでなく、コミュニティを育てていく装置としての役割も果たしていると言えるでしょう。
ユーザーにとってのメリット
人気トークンやNFTの一般販売ではアクセスが集中して、購入自体が不可能になる、ということも往々にしてあります。しかし、ホワイトリストに登録すれば、優先して購入できるという大きな安心感を得ることができるでしょう
さらに、多くのプロジェクトではホワイトリスト価格が通常よりも低めに設定されています。そのため、たとえば将来的に上場し、価値が上がれば投資としてのリターンも期待できます。実際に、猿のイラストで有名な「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」は、発売当初は1体0.08ETHでしたが、1年経たずして最低落札価格が150ETHに上昇しました。
また、話題のコレクションをいち早く所有できることは、単に資産を得るだけでなく、コミュニティ内での存在感を高めることにもつながるでしょう。早期参加者として認識されること自体が一種のステータスとなり、心理的な満足感をもたらしてくれるはずです。
プロジェクト運営側にとっての意義
実は、プロジェクトの運営の立場から見ても、ホワイトリストには大きなメリットがあります。まず、販売が始まる前にある程度の購入者を確保できるため、資金面での安心感が生まれます。「最低限ここまでは売れる」という見通しが立ち、プロジェクトを進めやすくなるのです。
もう1つは、不正購入を防げること。怪しいボットが一気に買い占めてしまうと、本当に欲しい人の手に届きません。その点、ホワイトリスト登録者には事前にウォレットアドレスを登録してもらうため、運営側はアドレス宛てに確実にサービスを届けることができ、公平性を保つことができるのです。
加えて、コミュニティとの関係づくりにも役立ちます。熱心に応援してくれる人を優先することで、プロジェクトとユーザーの距離が近くなり、結果的に口コミやSNSでの広がりに貢献。エンゲージメントが高まり、より大きなムーブメントを巻き起こすことができるのです。